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橋本努講義

人文科学入門 2010年度 小レポートのサンプル 1

 

 

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

毛利 健志

 

概要

大学生活で求められる能力がある。それは人によって意見が分かれるが、そのひとつに社会性があるということを多くの大学教授は語る。社会の規範や慣例を知ることは、大学卒業後社会人になるにあたっての必須の課題とも言える。これを知らないものは(そんな人間はいないであろうが)社会において全くと言っていいほど機能しないからだ。私はこの社会性を養うことを目標に1000万円を有効に活用したいと思う。そこでもう少し詳しく社会性について考察し、かつそれを身につけるための方法を考えていく。

 

一章:社会性の意義

ところで、そもそも社会性とはなんなのか。一般的な定義では人間関係を形成し円滑に維持するための社会生活を送る上で欠かせない情緒・性格などのパーソナリティの性質をもつことだとされている。これはつまり、お互いに協調的になることが社会性を持つことだともいえる。だが、この定義だけ見ると客観的とまでは言わなくともかなりそれに近い意味に聞こえる。だがもちろん、会社に不利益をもたらさないためにも、仕事に主観的に取り組むのはまずい。しかし主観絶対排除(常識的に多くの会社はこんな考えを持ってはいないが)といった考えは、個人がもち得るすばらしい独創性をもみ消してしまう可能性がある。わたしは、社会人は客観性と主観性の両方をバランスよく使い分け、時には主客一致をめざす力を持つことが必要だと考える。ではこの相反する2つのスキルをどう身につければよいのか。私はその一つの答えとして、カフェを開設することがあると思う。何故カフェなのかについて、次から説明することにする。

 

二章:カフェについて

カフェにはまさしく社会性と独創性という2つのスキルが伴う仕事だとわたしは考えている。第一にお客の意見・要望に耳を傾け、お客と店との円滑な関係を維持することで社会性を養うことができる。第二に、いかにしてお客においしいコーヒーと楽しい時間を味わってもらえるかを各人がそれぞれに考えることで、独創的な考えが鍛えられる。2つのスキルを無駄なく鍛えられるというわけだ。こういうわけでカフェ開設に1000万円をかけてみたいと思う。

 

三章:具体的な資金の使い方

さて、カフェ開設には一体いくらかかるのか。いろいろなコーヒー専門店(小規模のもの)のサイトからその費用を参考にし、平均費用を出した。まず、内装・水道工事で約200万円程度かかる。電気工事が約50万円、物件保全金に約300万円、キッチン工事で約50万円程度。そしてクーラー業務用・キッチン内機材・回転資金などで約300万円程度。合計約900万円程度かかる。残り100万円は保険として残しておけば、十分にできる内容である。ちなみに、北大サークルの一つである「北大カフェプロジェクト」は、北大構内にカフェ常設を目標に活動している。もしこのサークルと手を組んでカフェを常設した場合、北大構内の空きスペース(使われていない、もしくは使う予定の少ない施設)を利用できる可能性が高くなるので、物件保証金の300万円が必要なくなり、かなりの余裕が生まれる。食器や食材などは安いものを大量に仕入れればよいので本当に余裕がある。

 では残りの100万円ないし400万円はどう使うか。これは宝くじに使う。無論100万円ないし400万円すべてを使うわけではない。まずは10万円で様子を見る。買う宝くじはロト6がよい。というのも、実はこの宝くじは買って得するくじだからだ。くじには期待値というものが存在する。以前に計算したことがあるが、この理論では1口買えば8円得する。とはいえ現実は1口買って当たる確率はほぼない。だが、10万円で500口(1口200円なので)買えば、当たる確率がぐんとあがり理論上はほぼ間違いなくはずれることはない。この金額に近いもしくはそれ以上の金額が手に入るはずである。これを何回か繰り返せば必ず中当たり(元金よりも10万円以上の当たり)位は出るはずなので、それをさらに回転資金に組み入れれば営業がかなり楽になってくるはずである。しかし所詮は博打なので期待をしていると痛い目を見ることになる。基本は当たればラッキー、はずれても別にいいと思っていることが大事である。

 

結論

これらのことを無駄なくきちんと行えばそれなりの社会性・独創性が身に付き、かつ店の運営の仕組みが理解できるようになり、そしてお金を上手に活用することができるようになる。2つのスキルをきちんと使い分けられるようになるまではかなりの時間がかかりそうだが、大学4年間もあれば十二分に能力がつくことであろう。大学生活どころか社会人になってもずっとカフェ一筋になってしまいそうだが(それはそれで働いているのだから問題はないであろう)。以上が私のプランである。ところで現実問題、もう少しお金が必要になってくるときがあるだろうが、それは自分の貯金も使って耐え忍ぶことでやり過ごせるだろう。一番肝要なのは、1000万円で社会性と独創性をきちんと身につけられるか否か、というところにあると私は考えている。

 

 

 

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

経済学部 丑屋亜子

2010720

 

 大学時代というのは、私が考えるに、社会人になるまでの準備期間である。講義では、一般教養として必要な知識から自分の学びたいことまで幅広い範囲で学ぶことができる。演習やゼミではプレゼンテーションや議論、話し合いなどで自分の意見を発表する場が多い。また時として、レポートや論文も書く。さらには、部活やサークル、バイトに恋愛などさまざまな人との出会いや経験が多い。このような高校までとは異なる経験は、私たちが社会に出たときに役立つものであろう。つまり大学生活というのは社会で働くための予習のようなものである。だからこそ、もし大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができるのならば、私は将来のことを考えて以下の3つのことをやりたいと考える。

 まず最初に行いたいことは一人暮らしである。私は自宅から大学に通っているため、家事などに関しては家族に依存しがちである。しかしこれから社会に出て一人の大人として生活を送るためには、出来るだけ他人に依存せずに自分のことは自分でやることが必要である。一人暮らしはその方法の一部であろう。お金のやりくりや家事、規則正しい生活などは自立していく第一歩となっていくはずである。

 では具体的に一人暮らしにかかる費用について考える。ここでは大学4年間、つまり48ヶ月間一人暮らしをすると仮定する。するとその費用は以下のようになる。

 

@家に入居時に必要な費用

礼金              5万円

敷金          5万円

仲介手数料              5万円

火災保険料       2万円

入居開始した月の家賃  8万円

引越し代        6万円        計 31万円

 

A家具・電化製品・雑貨用品などにかかる費用

洗濯機     3万円

テレビ     3万円

冷蔵庫     2万円

電子レンジ   2万円

テーブル    1万円

寝具      4万円

その他     5万円                    計 20万円

 

 

B月々の生活費

食費      3万円

電気代     5000

ガス代     3500

水道代     2500

NHK受信料  1350

家賃      5万円

NTT      3000

新聞代     3000

携帯料金    4000

その他     4万円                   計 約14万円     

 

大学4年間では 14万円×48ヶ月=672万円 である。

 

以上の@〜Bを合計すると723万円である。

 

 次に行いたいことは株式投資である。株は自宅でも簡単にインターネットで行うことができ、いまや身近な存在となってきている。株式投資は最初のうちは利得や損失の差が大きいが、15年以上の長期にわたって投資をすれば、銀行に預金したり、債権に投資したりするよりもずっと有利である。長期で投資を行うのならば、若いうちから始めておくのがよい。しかも大学時代ならば自由な時間が多いため、株についてより深く学んでから始めることができる。まさに大学時代は株に挑戦する絶好のチャンスである。また、株を購入した人には、配当金だけではなく、その企業から株主優待のサービスを受けられる。そのサービスを受けたいがために自分の好きな企業の株を買う者も多い。このような要素を持った株というものに、私は魅力や面白さを感じ、ぜひやってみたいと考えたのである。もし投資をするのならば、最終的には50万円を注ぎたい。いくら儲けることができるのか、いくら失ってしまうのか、自分を試してみたい。また、株の勉強をするということは現在の経済や企業の実態を詳しく知ることにもつながるので、いい学習になると思われる。

 そして最後に行いたいことは海外に行くことである。行き先としてはまず中国を希望したい。というのは、近年中国は経済発展を続けており、私にとっての最も注目すべき国だからである。中国とは距離的に日本と近いということもあり、留学や貿易など交流が盛んである。また中国では人件費が安いため、多くの日本企業が中国に進出している。これらは一例に過ぎないが、中国が日本に与える影響は今や日本にとって必要不可欠のものとなっている。その一方で、発展途上国のような貧しい地域も存在することにも注目したい。その実態については、実際に足を運んで目で確かめてみなければわからないだろう。この貧しい地域を含めて中国という国を実際に見てみたい。特に経済発展をしている地域と未だ貧しい暮らしを強いられている地域の格差について興味がある。また中国だけでなく、他のアジアの国々やアフリカ、ヨーロッパなどにも訪れてみたい。いくらインターネットや本、新聞等で調べてもその国の様子は漠然としか把握できない。現地に行くことで、そこでの暮らしぶりを実感できたり、新しい発見をしたり、新しい出会いに巡り合えたりすることができる。このような外国での旅は、自身が成長し、より自己を高めるよい機会となるであろう。もちろん投資をした際の残り227万円では行くことができる場所は限られているが、そこはアルバイトなどで補充したい。そして行ける限り多くの国に行ってみたい。そのためにも、英語や中国など外国語の習得は必須である。

 以上のように、1000万円を自分に投資することができるのならば、私は一人暮らし・株式投資・旅行のために資金を利用する。今まで述べたように、大学時代は将来に備える期間であると思うが、それだけでなくやりたいことをやれる時間でもある。また、その中で出会った一人一人との関係も大切にしていくべきである。この人間関係も大学生として大事な教養となる。私はそう信じているので、実際にそうなるようにしていきたい。

 

 

 

 

「大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

2010/07/21富岡 悟

 

大学時代に追加で1000万円を投資するとすれば、今現在の状況から何がどう変わってくるのか、考察する。まず当然のことながら金銭的な問題でできなかったことができるようになり、選択肢が広がる。また、食費、公共料金、家賃や学費などに1000万円を充てることも考えられるので、時間的な余裕も発生する。新たな選択肢と時間を無駄なく使うことができれば、確実に自分を高めることができるだろう。

 まず、残念なことに自分は中学、高校時代にあまり小説を読んでこなかった。小説とは単なるお話、ゲームや漫画と同じような娯楽であるという思い込み、また、現実に役立つ知識を手に入れたいというリアリズム的な考えから社会問題を取り扱った新書ばかりを読んでいた。それゆえこれから読まなければいけない名著が数多くあると思う。大まかに計算してみると、3日で11000円の本を読み切る計算だと1年で約12万円。4年だと50万円程度となる。

 このタイプは今でもできるが、1000万によってさらに幅が広がるものである。それとは別に、今は思いつきもしないようなこと、1000万によってオフがオンになり、激的な変化をもたらすものがある。その中でも自分はまず、趣味であるサッカーを仕事にする為に時間とお金を使いたいと思う。趣味を仕事にすべきでないという人もいるが、やはり自分が今まで実際に出会った人や読んだ文章からも、好きなことをしてお金を稼いでいる人は活気に満ちていて、どんな不況下でも楽しく生きている感じが見て取れる。また、趣味を極めることで、単なる道楽ではなく他人との差異となり、その人自身に価値をもたらし、一生の財産となることも考えられる。故に1年という期間を用いてサッカーを観たり、書いたりするための基礎となる土台を作り、ゆくゆくはその道を極めたい。そのための準備としてまずマンツーマンの外国語会話スクールに行き、英語とスペイン語を仕事に使えるレベルにする。また、イタリア語、フランス語、ドイツ語についても読んで理解するレベルにはしておく。その上で大学を1年間休学し、スペインに滞在して本場のサッカーや社会、文化にどっぷりと浸かりたいと思う。滞在先としてスペインを選んだ理由にとしては、今後のサッカー界がスペインを中心に回るという、近年のサッカー界の状況から考えた推測である。まず第一に近年、世界中で最も結果を残しているのがスペイン代表チームとスペイン国内のサッカーリーグであるリーガ・エスパニョーラ(以下リーガと略す)に所属するチームであることが挙げられる。国別で争うEURO2008で完勝したスペイン代表チームとヨーロッパのクラブ同士で争うUEFAチャンピオンズリーグ20092010で優勝したFCバルセロナ(同年リーガも制覇)がいい例である。第二に一部のクラブチームを除いて経営が比較的健全に行われていることが挙げられる。近年の不況の影響で数百億円という膨大な負債を抱えるチームが多い中でリーガは収益を出しているクラブが多い。理由としてはサッカー専用スタジアムの設置がいち早く行われていること、放送権やスポンサー料が世界中から入ってきていることがある。さらに、育成に比重を置くスタイルが成功を収めており、持続的な発展が期待できる。以上のことから今後のサッカーをよく知るという意味ではスペインが最も適していると考えられる。大まかな金額の計算をしておくと、まず語学の学習に際して英会話を週2回、スペイン語を週3回行うとすると、週4万円程、6ヶ月では96万円 [1]程になると考えられる。さらに家賃、公共料金などの基本的な生活費が月約17万円[2]、1年間滞在すると204万円。さらにスタジアムや育成機関、各種講イベント等に参加するためのチケット代や交通費などにできるだけお金を使いたい。しかしチケット代は高く、1試合で1,54万円ほどにもなる。見られる限りの試合を観戦すると、70試合程度になるので、192万円程にもなる。その他交通費やケーブルテレビの利用料なども足していくと500万円ほどの出費になると考えられる。また休学中の学費が54万円。ここまでで使用する金額の合計が約700万円となりまだ上限には達しない。そのため、イングランドのプレミア・リーグ、イタリアのセリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン、エールディビジ、その他カップ戦などを時間の許す限り見て回ろうと思う。

 以上、自分に投資する以外の使い道を持たない1000万円の使い道について述べてきた。その中で、やはり自分は他の人が持ち得ないような経験をすることを主眼として、1000万円を海外のサッカーをひたすら生で見て、起きている時間のほとんどをサッカーについて考えるような期間を過ごすために使いたいと思う。かなりぼやけたヴィジョンであり、結局は1000万円と1年間を無駄にすることになるかもしれない。しかしリスクのともなわない投資は有り得ない。そういう意味でも実際にこんな機会があったときには、今回のレポートを書く際に考えたことを参考にして、大胆なお金と時間の使い方ができたら幸いである。

 

ECC外語学院(http://www.ecc.jp/no)の料金体系を参考とした

地球の歩き方(http://www.arukikata.co.jp/)を参考とした

 

 

 

 

「大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

笠原伊織 2010.7.23改訂

 

 1000万円あったら、まず大学4年で納める学費と必要となる生活費に割り当てる。私の家庭はそれほど裕福ではないので、とりあえず、親から経済的な負担を取り除きたい。ちなみに私は埼玉出身の一人暮らしである。

  

   学費  282000円(入学費)+535800円×4年

      =1607400円

   生活費 6万(一月の生活費)×12×4年

      =2880000円

 大体を見積もって、学費を160万円、生活費を300万円とすると、小計460万円となる。残り540万円だ。

 

 次に考えるのが留学である。私は大学4年のうちに1年間の交換留学をしたいと思っている。交換留学では学費は北大に支払えばよいので、すでに計算済みである。必要なのは現地での生活費で、100万円とする。  

 留学をすることで身に付けたいこと、学びたいことを説明したい。

 まずはやはり語学である。母国語以外の言語を身に付けることで、日本語とは違った「思考の枠組み」を手に入れたい。そして、世界中の人たちと交流すること、または仕事をすることに役立てたいと思う。

 また、視野を広げられたらいいと思う。自分と違ったバックグラウンドを持つ人たち、違う意見を持つ人たち、違う生き方をしている人たちに会うことで、自分の中に変化を起こし、物事をあらゆる角度から考察・検討できるようになりたい。

 さらに、自分という人間と自分が生まれ育った国(つまり日本)をよりよく知りたいと思う。物事をよく知るためにはそれに近づくことと遠ざかることが必要だ。長い期間を外国で過ごすことで、日本という国、日本で生きている自分というものを客観的に捉えることができたらいいと思う。

 

 留学の次は、本だ。私は大体月に10冊くらいの本を読む。岩波文庫、新潮文庫が多いが、これからは専門的な単行本にも手を出していきたい。本の種類も偏らず、バラエティーのある読書を心がけたい。今までは圧倒的に文学に偏っていたが、そのほかにも現代思想、人類学、宗教学、歴史と広げていきたい。

 書籍費は月に2万円とする。

 

  書籍費 2万円(一月の書籍費)×12×4

     =960000円

 

 大体を見積もって、100万円とする。残り340万円だ。 

 本を読む意義を考えると、まず読書は生きる活力になる。感動は人間が生きていくうえで欠かせないと思う。私は文学ばかり読んできたが、文学の読書を通しての感動がなかったら、安定して生きていくことはできなかっただろう。

 また単純に、読書は知識を深めるにも役に立つ。大学の勉強のみならず、社会に出て仕事をしていくうえでも、知識は必要だろう。複雑な社会の中で、問題を発見し、解決していくためには、土台として世の中に関するあらゆる知識が備わっていることが必要になってくる。大学の講義だけではおそらく追いつけないだろう。

 さらに、本を読むことで、論理的な思考力や文章作成能力も身につく。この場合文学ではなく、新書や社会科学の本を読まなければならないだろう。私に欠けているのはここなので、大学4年でがんばりたいと思う。

 

 次に映画や音楽など遊びにかける費用だ。

 映画は月に10本ほど観る。北分館で昔の名作をただで観れるため、月に3回ほどの名画座費のみを考える。

 

  名画座費 1000円×3×12×4年

      =144000円

 

 音楽は月に1回クラシックのコンサートに行く。 

  

  コンサート費 1500円×12×4年

        =72000円

 

 私は美術館にもよく足を運ぶ。月に5回美術館に行くと考えて計算する。

  

  美術館費 1000円×5×12×4年

      =240000円

 

 映画や音楽は遊びといっても、私にとってはなくてはならないものだ。文学の感動同様生きる活力になるし、映画は人生の勉強にもなる。そして、「自分の感受性を自分で守る」ことは、あらゆる価値判断の前提になるはずだ。

 遊び費を50万円とし、残りは290万円だ。

 

 私は大学のうちに旅行をたくさんしたい。国内だけでなく国外にも足を運びたい。1回の国内旅行を5〜10万円、1回の海外旅行を15万円とし、国内旅行に10回、海外旅行に5回行くとする。

 

  旅行費 100000円×10+150000円×5

     =1750000円

 

 旅行の意義は留学と遊びのところで書いたこととほぼ同じだ。たくさん経験を積んで、魅力的な人間になれたらと思う。

 残りは115万円。

 

 CAI現代芸術研究所というところに夜間のアートスクールがある。私はここで1年間学び、自己表現する手段を身に付けたい。

 

  アートスクール学費 10000円(入学金)+190000円(1年間)

           =200000円

 

 なぜ自己表現する手段を身に付けたいのかは自分でもわからない。表現したいからとしか言いようがないのだろう。小説か写真か絵画か映像か、まだどの表現方法が自分に合っているのかわからないが、大学4年間で模索していきたい。

 残りは95万円である。

 

 NICEという国際ワークキャンプのNPOがある。私はそのワークキャンプに参加したいと思っている。4年のうちに4回参加するとして計算する。

 

  NICE参加費 150000円(一回の参加費)×4回

        =600000円

 

 NICEに参加したい理由は留学したい理由とほぼ同じである。

 

 残った35万円は自動車教習所に通う費用に費やしたい。自分の車も買いたいが費用が足りないので、自分で働くようになってからお金をためて買おうと思う。

 

 

 

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか。」

教育学部  菅浪 萌

 

 投資の内容を考える前に、まずは1000万円という額について考えてみようと思う。私は1年程前に、塾講師のバイトをしたことがあるが、給料は1週間に1度90分授業をして月に60007000円であった。コンビニやファーストフード店であれば同じ時間働いてもそれ以下である。そう考えると1000万円を稼ぐには一体どの位働けばよいのだろうか。単純に、塾講師のバイトが自給1050円だとして計算すると、約9524時間になる。これは気の遠くなるような時間だ。さらに、お金を稼ぐには体力と強い精神が必要であるから、1000万円を稼ぐことは並大抵のことではない。つまり、1000万円という額の裏にはとてつもなく重いものが隠されているのだ。当然、これのつかいみちも慎重に考えなければならない。

 さて、1000万円の価値を考えたところで今度はそのつかいみちを検討しようと思う。私は今、家賃や生活費、授業料をすべて親に出してもらっている。当然、それらのお金を先に考える必要があり、投資する価値も当然ある。大学の授業料は年間約60万円とすると4年間で240万円。さらに入学金が約30万円。また、学生会館の家賃が月79000円であるから、4年間で約380万円。光熱費・ガス代あわせて月7000円で計算すると4年間で約34万円。食費は学生会館の家賃に朝・夕食代が含まれているので昼だけの計算でいくと、1回の食事を300円ですませるとして1ヶ月9000円、4年間で約44万円。これらを合計すると、約728万円だ。また、私は1年予備校で浪人し、その予備校の授業料を祖父に出してもらって通っていたので、その授業料の70万円を祖父に返したいと思う。これらすべてを1000万円からひくと、残り約202万円となる。こうして計算していくと、大学生活を送るのにはこれだけの額のお金が必要だと分かる。あれだけ大きな価値をもつ1000万円も意外とあっけなくなくなってしまった。お金を貯めるのは大変だが、つかおうと思えば一瞬でなくなってしまうというのがよく分かる。残りの202万円は慎重に考えたい。その残りのお金は、自分の夢や将来のために投資しようと思う。これから私の夢について書こうと思うが、その前に私が北海道大学にひかれた理由から書こうと思う。北海道大学は、キャンパスが広く、総合大学であり、且つすべての学部が同じキャンパスにあることが魅力である。水産学部だけは別のところにあるが、他はすべて札幌のひとつのキャンパスにあるといのは土地が広い北海道ならではの長所だと思う。他にも総合大学はたくさんあるが、これだけ大きなキャンパスで多様な学部がある大学はない。それゆえに他学部との交流が盛んであり、自分を成長させてくれる広い視野をもった人達に出会えると考えたのだ。また、それ以外にも理由がある。それは、北海道大学に交換留学制度があることだ。私は高校の時から、留学に興味があり、教育制度が一番注目されているフィンランドに行きたいと思っている。生徒の自主性を重んじ、教師がのびのびと自分のスキルを広げられるよう工夫されているフィンランドの教育制度は素晴らしいと思っていた。現地に行って実際にそれをみるために、大学2年目か3年目に、機会があれば短期留学したいと考えている。北海道大学と交換留学提携を結んでいるオウル大学に留学するのが私の大学に入っての目標であり夢である。そのための資金に残りのお金を自分に投資したいと思う。留学するなら、短期ではなく長期で行った方がいいと先輩に言われたことがあるが、それには多大な資金が必要であり、休学して1年留年することになる。私は1年浪人したうえ、大学を出たあと大学院に行くかもしれないので、これ以上モラトリアム期をのばしたくはない。しかし、短期留学より長期留学の方が得られるものは大きいのは明らかであり、自分の糧となるならば長期留学をとってもいいと考えている。短期にするか長期にするかは、これからじっくり考えようと思う。少し漠然としているが、留学のために残りの資金を投資し、自分の成長のための投資にしようと思う。

 ここまでで1000万円の内訳をすべて考え終えてしまったが、別の202万円のつかい道も考えることにする。私は旅行が好きであり、将来日本全国を旅して回るのが夢である。世界一周は更に夢のまた夢であるが、遠い将来実現させようと思っている。大学生活の長期休業には、友達と、あるいは一人で、まずは北海道を旅してまわりたいので、残りの202万円をその資金にあてようと思う。地域の自然やそこに住む人たちの人柄に目を向けながら、自分の故郷と異なっている部分を探すのが面白い。また、他の地域を見ることによって初めて自分の故郷のいい部分や悪い部分がわかる。自分の故郷にずっといるだけでは何も見えてこない。自分の殻から出て周りの世界を見なければ本当の意味で自分を発見することはできないのと同じである。旅をすることは、単なる娯楽ではなく、格好つけていうとまさに「自分探し」なのである。したがって旅行の資金に投資することには価値があるといえるだろう。

1000万円の内訳は以上である。大学生活の中で、様々な人々の考え方を学んだり、新しい自分を発見したり、さまざまな経験をつみ、最終的には自分とはどのような存在なのかを知り、揺らがないしっかりとした芯をもてるようになりたいと思う。1000万円を投資できるなら、以上のように、この信念に基づいた資金の利用をしようと思う。